voice。



「うん。」
 そう言って久保ちゃんが笑う。
 眼鏡の奥が笑ってなくても。

「うん。」
 そう言って久保ちゃんが泣く。
 煙草を咥えた唇は笑ってても。



 返事をしろ。
 俺だけを見て、俺だけの隣で。
 そのカラダ全部で俺の傍に居ろ。 
 
 別に事実がどうだって構わない。
 俺がココに引き戻してやる。
 跡形もなく消え失せるなんて俺様が許さねーんだ。
 ウソでもイイから肯定しろ。
 ホントが欲しけりゃくれてやるから。



 君の声が俺を許し、君を呼ぶ俺への返事で君を繋ぐ。



 だからずっと、
「うん。」
 って、言ってろ。



...end...

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